設立の趣意

近年、モラルの低下が叫ばれ、その復権への処方が模索されています。道徳授業の教科化などを主張する提言はこうした処方の延長上にあります。小学校や中学校だけでなく、高等学校でも道徳授業を行うべきだという声すら聞こえてきます。

こうした状況にあって、教師はいま何をなすべきなのかと自問している先生方は少なくないでしょう。各種提言が述べているように、「社会総がかり」的運動や地域社会の再生が必要だとしても、教師としては、それらが実現されるのをただ待っていることはできません。私たちの目の前には、子どもたちがいるからです。

私たちは、私たちの知恵を絞りながら、私たちにできることを見定め、私たちの学校の中で最善を尽くすしかありません。ただ、幸いにして、各地にはすぐれた道徳授業を黙々と実践している先生方がいます。彼らが一堂に会して、自らの技量や経験を披瀝しあい、道徳教育の実践を討議・推進することができれば、少なくとも現状以上に、実効ある道徳教育の可能性が開かれるのは間違いありません。

私たちは、そうするためのフォーラム(公共の場所)を立ち上げることにしました。

このフォーラムの存在意義は、教師たちが、地域、職階、年齢を離れて、学校における道徳教育や道徳授業の可能性を互いに学びあうところにあります。名称を「学校と道徳教育」(Schools and Moral Education)研究会としたのはそのためです。そして、その略称SAMEには、この研究会に集う人々が「同じ」志を持って学校の道徳教育のあり方を討議するという意図が込められています。

志を同じくする方々の結集を願ってやみません。

平成20年1月3日

広島大学大学院教授(広島大学副理事) 越智 貢
(現:広島大学名誉教授)
東広島市立高美が丘中学校校長 竹田 敏彦
(現:安田女子大学教授)
他有志一同

役員一覧

顧問越智貢(桃山学院教育大学教授,広島大学名誉教授),竹田敏彦(安田女子大学教授)
代表衛藤吉則(広島大学教授),湯浅るみ(三次市立君田小学校長),上村崇(福山平成大学教授)
事務局堀江信之(広島大学,広島工業大学)
事務局中西捷渡(広島大学)

沿革

2008年 1月SAME研究会設立(代表:越智貢(広島大学))
2016年 3月越智貢 代表退任 顧問就任
2016年 4月竹田敏彦(安田女子大学) 代表就任
2023年 3月竹田敏彦 代表退任 顧問就任
2023年 4月衛藤吉則(広島大学),湯浅るみ(三次市立君田小学校長),上村崇(福山平成大学) 共同代表就任